今回は、サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)の特徴や費用相場、入居条件、他の介護施設との違いを現場目線で解説していきます。
高齢の親の住まいを探している方や、介護の選択肢に迷う方におすすめとなっています。
ぜひ、参考にしてみてください。
🏘️サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは?
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは、介護支援サービスがついた賃貸住宅のことです。バリアフリー構造になっていて、高齢者が安心して暮らせるように環境が整えられています。一人暮らしを前提として、安否確認や生活相談などを、介護職員または相談員が行ってくれます。
ただし、ひとり暮らしを前提としているため、ある程度生活が自立している方や、支援があれば暮らせる方出ないと、入所できない可能性があります。「身の回りのことはできるけど、ひとりで自宅で暮らすには心配…」「一応、夜間の見守りをしてもらいたい」など、必要最低限のサービスで大丈夫という方に限られてしまいます。
よって、認知症が進行している方や、特定疾病のような重い病気を患っている方などには難しく、有料老人ホームや特養といった施設への入所を検討した方がいいでしょう。
📌サ高住の特徴
バリアフリー設計と安否確認
バリアフリー設計とは、高齢者でも生活がしやすいよう手すりがついていたり、廊下やお部屋の入口に段差がついていないなどの、生活がしやすいように配慮された建物の設計のことをいいます。
また、職員が常駐しており、毎日の安否確認と緊急時に対応してくれるサービスがついています。
このように、サ高住は”自分一人で生活ができ、何かがあったときは職員がかけつけてくれる”という、安心を買うことができる住宅になっています。
生活支援サービス
外部委託のサービスを頼めば、食事の提供だけでなく、掃除や洗濯などの、生活支援を受けられます。また、ヘルパーや訪問介護などのサービスとも併用が可能です。
よって、”ある程度生活が自立していること”が前提とされていますが、外部のサービスを取り込めば、支援が必要な方でもサ高住で暮らしていくことは出来ます。
ただし、必要に応じてサービスを頼む場合は、その都度費用が掛かります。サ高住はあくまで賃貸住宅になりますので、併せて訪問介護や外部サービスを頼む場合は、月々の費用がかなり高額となってしまう可能性があります。
📝サ高住の費用の相場についてと内訳
サ高住の費用ですが、目安として考えてください。お住いの地域により差があります。
- 家賃:5〜15万円程度(地域差あり)
- 共益費・生活支援費:3〜7万円程度
- 初期費用:敷金1〜2ヶ月分が一般的
- 月額合計:おおよそ10〜20万円前後
上記のほかに、食費や雑費、必要であれば訪問サービスを受ける場合もあります。
ある程度の予想を立てても、生活支援のひとつひとつのサービスに費用が掛かる可能性があるため、思わず高額になってしまう点に注意が必要です。
❓他の施設との違いは?
高齢者向けの施設にも様々なものがあります。
サ高住への入所を検討されている方であれば、そのほかにいくつか選択肢もあります。ここでは、よく比較される有料老人ホームや特養との違いについてご紹介します。
項目 | サ高住 | 有料老人ホーム | 特養 |
---|---|---|---|
位置づけ | 賃貸住宅 | 介護施設 | 公的介護施設 |
入居条件 | 60歳以上 | 介護認定あり | 要介護3以上 |
介護スタッフ | 常駐ではない | 常駐(夜間含む) | 常駐(夜間含む) |
月額費用 | 比較的安価 | 高め | 低〜中 |
医療体制 | 外部連携 | 看護職常駐ありも | 嘱託医 |
サ高住が他の施設と違う点をまとめると、
①原則60歳以上であれば誰でも、②最低限のサービスに留めれば費用を抑えられる、③介護職員が常駐していないので自由に過ごせる、などの特徴があります。
📢サ高住が向いている人・向いていない人
✅向いている人
- 身体的に自立して生活を送れる高齢者
- 家族の支援はあるが、独居には不安がある
- 自由な生活を送りながら、見守りだけほしい
必要最低限のサービスだけ受けて、基本的には自分で自由に生活を送りたい方に向いていると言えます。
✅向いていない人
- 医療への依存度が高い(何かしらの処置が必要など)
- 認知症の進行が強く見られ、その周辺症状がある場合
- 生活のひとつひとつに介助が必要
サ高住は自立した生活が前提となっているので、毎日医療的処置が必要な方や、訪問ヘルパーを頼んで生活に支援をしてもらう必要がある方などは、ひとつひとつのサービスに費用が掛かってしまうため、向いていません。
💡サ高住を選ぶ際のポイント
サ高住への入所や見学を検討されている方は、以下のポイントに注意をしてみてください。いくつかご紹介します。
① 建物の設備・管理体制(バリアフリー、見守りシステム)
当然、バリアフリーに配慮された構造になっていますが、特に生活導線上のどこに手すりが付いているのか、手すりはその入所者さんにとって適正な高さなのか、段差はすべて解消されているか、見守りシステムは入所者さんが理解しやすいものになっているのかなど…
② 提携医療機関や訪問看護の有無
なかには、医療機関や訪問看護をご自分で探さなければいけないケースもあります。あらかじめ、管理者に確認をしておきましょう。
③ スタッフの対応(人柄や柔軟性)
個人的には、一番大切だと思っています。入所者さんにとっては、特に初めは慣れない生活で不安なことも多く、小さな相談などもあると思います。
長く生活をしていくためには、スタッフが相談しやすい人柄であることはとても重要です。入所者さんが「家族に迷惑を掛けたくないから」と、我慢して生活を送ってしまうことがないよう、スタッフの雰囲気は注意してみてもらいたいです。
④ 生活支援サービスの範囲
こちらは費用面に関わる問題でもあります。どこまで生活の支援をしてもらえるのか、何に対してヘルパーなどの委託を行わなければならないのかは事前に確認をしておきましょう。
⑤ 契約の内容
契約時の内容も確認しておきましょう。亡くなる最期の時まで入所できる場合もあれば、途中で退所しなければならないこともあります。
退所の条件などは、あらかじめ確認をしておく必要がありますので、聞いてみてください。
サ高住選びに迷ったときは、地域に詳しい相談員のアドバイスを受けられると安心です。
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📌まとめ
サ高住は、施設選びをするうえで「住まい」と「軽度の介護支援」が必要な方にとっての選択肢のひとつです。
家賃を支払いつつ、見守りの費用を掛けることで安心して暮らすことができます。
「まだ一人で暮らせるかな」という方にとっては、スタッフの干渉が少なく、自由度の高い生活を送れますし、「いずれは有料老人ホームや特養への入所を検討している」という方にとっても、段階的に在宅以外での生活を送ってみる場所のひとつとなっています。
サ高住を検討された際は、これらのポイントを押さえ、施設選びの参考にしていただけたら幸いです。
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