特別養護老人ホーム(以下:特養)の仕事が「きつすぎてもう無理…」と感じていませんか? そんなあなたへ、“逃げ道”は必ずあります。
私も実際に介護職として10年以上働いてたので気持ちはとても分かります。「辞めずにもう少し頑張ってみて」とは言いません。辞めるのも選択肢のひとつです。
ここでは、辞める場合と、無理をせず前に進むためのヒントをお届けします。
📌特養の仕事が「きつい」と感じるのは、あなただけじゃない
「毎日つらい」「体力も精神も限界」と感じているのは、あなただけじゃありません。介護職としてだけでなく、特養で働くからこその悩みもあり、辛いと感じる人は多いです。
特養は、介護度が高い利用者が多く、業務もハードです。自分が「向いてないのかも」と落ち込む必要はありません。
もちろん、施設にもよりますし、利用者さんの状態にもよるので、比較的楽な施設もあるでしょう。一方で、有料老人ホームに医療依存度の高い利用者さんが集中して大変な施設もあります。
上げたらキリがないですが、他と比較しなくても、あなたがきついと感じているのなら、それは無理をする必要はありません。
📖 リアルな特養の現場を知りたい方はこちらを参考にしてみてください👇
実際に特養で働いた経験をもとに、1日の流れ・人間関係・やりがいなどを詳しく紹介しています。
「辞めたい」と感じる瞬間ベスト3【リアルな本音】
- 夜勤中のワンオペ
明け方の4時に、転倒された利用者さんがいたが、他の利用者さんからはトイレに行きたいとナースコールがある。しかし、担当しているフロアには自分しかいない…。こんな状況もあります。慣れている職員でも心身ともに追い詰められます。 - 上司や先輩の理不尽な叱責
忙しさからくる感情のぶつけ合い。私が新人の頃は「教えている時間がないから見て覚えて」「1か月で独り立ちしてもらうから」と言われました。これ、大げさでもなんでもなく、常に人手不足な介護業界では割とあるあるです。新人時代は「早く覚えてシフトの一人としてはいらないと」と、プレッシャーを感じていました。 - 利用者からの暴言・暴力
認知症の方と関わったことがあれば分かると思いますが、本当に理不尽な対応を求められることがあります。不穏になっての暴言や、エスカレートして暴力を振るわれることもあります。「介護の仕事をしているんだから当たり前」だと思いますか?介護職員も人間です。落ち込み、悩み、傷つきます。私は我慢ではなく、相談員やご家族を巻き込んでしっかり解決すべきだと思いますし、そうしてきました。けれど、泣き寝入りや我慢をしている職員はとっても多いです。
👤 体験談:実際、私は入職して1か月くらいで辞めたくなりました。しかし、忙しい中でも「何か困ったことはない?」「ここは一緒にやってみよう」と何かと気にかけてくれる先輩職員がいました。その人の負担を軽減させるためにも、自分が頑張ろうと思って踏みとどまりました。ただ、1か月で辞めるなんて、社会人としてどうだろう?と自分に言い聞かせていた部分もあるので、周りの目を気にして辞めるに辞められずといった中途半端なかたちではありました…。
🍀実は「辞めてもいい」5つの理由
- ① 心と身体が限界を迎える前に辞めましょう
身体が疲れるだけなら、休めば復活しますが、心まで疲れてしまうのであれば、辞めたほうがいいです。自分が倒れてしまっては元も子もありません。あなたが疲弊する必要はないんです。 - ② 介護職は特養だけではありません
介護の施設は、老健やグループホーム、デイサービスなど選択肢がたくさんあります。それぞれに良さがあり、働き方も全然違います。介護の仕事を続けたいと考えてくれるのであれば、他の選択肢も探してみてはどうでしょうか。 - ③ 「辞める」=「逃げる」ではありません
「辛くて現場から逃げた」と感じてしまう、責任感の強い方もいるかもしれません。そんなことはありませんよ。自分の限界を感じる前に、次の素晴らしい職場に向けて歩んでみたほうが、よっぽど人生は素晴らしいです。 - ④ 介護に携わった経験は活きます
”介護の仕事をやってみた”経験は、接客・教育・医療事務など、他の仕事でも転用できる場面は多いです。また、親の将来の介護をどうするか考えることも出来ますし、実際に経験してみたということは、確かなプラスになります。頑張ってみたことは無駄にはならないことを覚えておいてください。 - ⑤ 福祉業界内でのキャリアチェンジも可能です
相談員やケアマネなど、現場から離れた介護の仕事もたくさんあります。実際に、私の周りでは「現場はそろそろきついから」とキャリアチェンジした人が多いです。相談業務はもちろん、介護現場で働いた経験が活きますし、介護の業界に携わりたいと考えてくれるのなら、裏方から支えるという選択肢もあります。
💡今すぐできる「抜け道」の選択肢
① 施設内の異動や業務内容の調整を相談する
こういうケースがあります。「特定の利用者さんからの当たりがキツイ」「相性のよくないご家族・職員がいて職場が楽しくない…」などの悩みで、配置を変えてもらうことです。
部署やユニットが変わるだけでも、環境がガラッと変わります。同年代の職員が多いほうが働きやすかったり、相談しやすい先輩が出来たりと、思わぬ改善に繋がることもあります。
施設も職員が長く働いてくれる方が嬉しいので、悩んでいる方は提案してみるのもアリです!
② 一時的な休職でリセットする
「休む勇気」も大切です。1か月離れてみるとリフレッシュになる場合もあります。継続して常に働いていなければならないわけではありません。いったん離れてみて、戻るという選択肢もあります。
介護の現場では、休みも満足に取れないなんてことがザラにあります。必要なのは、十分な休息なのかもしれません。
③ 他の施設・法人へ転職する
サ先ほども書きましたが、他の施設へ移るのもひとつの選択肢としてあります。施設の法人が、特養から有料やデイサービスなど他の施設も運営していれば、そちらへ異動させてくれる場合もあります。
私個人の感想ではありますが、特養で働く人の中には「特養でしか働いたことがない」「他の施設をよく知らない」という方が多い印象です。
自分の見聞を広める意味でも、他の施設で働いてみるのは、視野が広がって経験として良いことだと思います。
④ 異業種にキャリアチェンジする
思い切って、別の業界に飛び込んでみるのもアリです。福祉業界だけでなく、培った接遇のスキルが活きる場面は多いです。
私が働いていた職場でも、介護業界からまったく関係のない仕事に転職する人も結構いました。実際に、私も現在は介護の現場からは離れています。
⑤ 派遣・短期バイトで自分に合う環境を探す
これは個人的にオススメしたいやり方です。
正職員にこだわらず、まずは“働きやすさ”を試してみるのも一つの手です。
「家が近いから」とか「施設の外観がきれいだったから」など、なんとなく気になった施設があれば、実際に派遣や短期バイトをしてみることです。
現場に入ってみれば、職員の雰囲気や、仕事の丁寧さ、自分が学んでいけそうかというのが見えてきます。気に入らなかったら派遣を終了して別の施設に行ってみればいいだけです。
長く働くことを考えたときに、”雰囲気”・”丁寧さ”・”教育環境”。これらは超重要です。
転職活動を考えるなら、コチラを参考にしてみてください👇
まとめ|「きつい」と思った今こそ、自分の働き方を見直すチャンス
特養の仕事は、確かにきついです。10年も働くと、入職当時にいた職員はほとんどいなくなりました。それくらい人が辞めるのです。
特養にやりがいや魅力を感じる部分も確かにありますが、向き・不向きや自分に合わない環境などもあり、本当に難しいです。
だから、あなたが続けようか迷っているのは、自然なことです。「今すぐ辞めなさい」と言いたいわけではなく、自分に厳しくせずに、自身を一度見つめなおしてみてほしいのです。
辞める・休む・続ける、どれでも構いません。あなたが自分を大切にできる選択肢を選んでください。
一番大事なのは、自分の心と体を守ること。後悔しない選択をするためにも、ぜひ考えてみてください。
「続けたいけど…」や「こんなことに悩んでいる」など個人的なお悩みなどあれば、ぜひご意見・ご相談ください。
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