今回は、夜勤について解説していきます。個人的には、この勤務が一番きつかったです。皆さんはどうでしょうか?
夜勤との向き合い方|介護職が語るリアルと対策
介護職にとって避けて通れないのが「夜勤」という業務です。
体力面や精神的な負担が大きく、この夜勤が負担となり、離職理由として多くあげられることもあります。
私も「夜勤をこの先続けられるだろうか」と何度も不安になりました。
ここでは、夜勤を乗り越える方法についていくつかご紹介します。
【体験談】初めての夜勤は、とにかく辛かった
私が初めて夜勤に入ったのは、まだ現場経験が浅かった頃です。
人手が足りないこともあり、指導を急ピッチで進められ、1か月も経たずに夜勤の指導が始まりました。介護現場ではよくあることだと思います。
深夜や明け方でもナースコールが鳴りっぱなしで、仮眠どころかトイレに行く時間も限られていました。
静かだなと思っても、認知症の利用者さんが夜中に廊下を歩き回り、気が付くと職員室の前を歩いていたこともあります。
施設にもよりますが、夜勤中の業務は利用者さんの対応だけではありません。
清掃や記録の記入などの間接業務や、排泄介助に周ったりという業務を同時にこなさなければならないため、徘徊に注意して見守りをしていればいいというわけではないのです。
正直、初めての夜勤が終わったときは、勤務時間は長いしやることも多いしで、眠気と疲労で倒れそうでした。
帰り際に「これを何十年も続けるのか」と思うと、恐ろしくなったのを覚えています。
しかし、介護職にとって夜勤は必須の業務とされていることが多く、長く続けるためには、この夜勤業務とうまく付き合う必要があります。
✅ 夜勤のメリット:自由な時間と収入アップ
夜勤には「大変」というイメージがつきまといますが、見方を変えればメリットもたくさんあります。
まず一番大きいのは夜勤手当による収入の増加です。同じ時間を働いても、日勤より高い給与が得られるのは魅力です。
また、日中に自由な時間を確保できるのも夜勤ならでは。
銀行や役所などの手続きがしやすく、趣味や副業の時間も取りやすいです。人の少ない静かな時間帯で、落ち着いて仕事ができる点も好まれる理由の一つです。
⚠️ 夜勤のデメリット:体調不良と孤独感
一方で、夜勤は体内時計の乱れによる体調不良を引き起こしやすく、睡眠不足・食欲不振・免疫力の低下など、長期的な健康への影響が懸念されます。とくに年齢を重ねるにつれて、夜勤の負担は大きくなっていきます。
また、夜間はスタッフの人数が限られるため責任が重く、孤独感や不安を感じやすいという精神的なデメリットも。トラブルが起きた時にひとりで対応しなければならないことも多く、プレッシャーの大きさを感じる方も少なくありません。
そして、介護職員の給与は夜勤手当込みでないと収入が少なくなりがちで、結局夜勤を頑張らないといけないといった施設も多いです。
【解決策①】生活リズムを味方にする
- 夜勤前は軽く運動をして、90分の仮眠を取る
- 夜勤明けの日は長時間寝すぎない(2〜3時間程度)
- 朝日を浴びて体内時計をリセットする
夜勤を行うと、朝まで起きているという不規則な生活になってしまいます。睡眠時間の工夫をし、生活リズムをもとに戻すことで、翌日以降の疲れの残り方が変わってきます。
夜勤が終わったあと、疲れのあまり夜まで寝てしまう方などは、その日は寝すぎて夜更かしをしないと寝られないなどの悪循環に陥りやすいです。
【解決策②】“夜勤ノート”で不安を減らす
私は独自の「夜勤用メモ」を作成しています。
利用者ごとの注意点や予想されるトラブル、スケジュールなどを書き留めておくと、いざというときに対応しやすく、不安な夜勤が減り、安心材料になります。
夜勤は少人数で行うことが多いため、自分なりに緊急時の立ち回りをシミュレーションしていくことは非常に大切です。
【解決策③】夜勤仲間と“情報共有”を密に
信頼できる仲間との連携は、夜勤の不安を大きく軽減します。
新人の頃に「何があっても落ち着いていれば大丈夫」と言われた一言が今も心に残っています。
特に、夜勤の経験が長い方や、緊急時の対応に慣れている方などに話を聞いてみるといいでしょう。
いつかは自分も、緊急時の対応を迫られる場面が出てきますので、その時までにいかに備えておくことができるかは大切です。
【実例】夜勤中に実際にあったトラブル
▶ ケース1:認知症利用者の徘徊
非常口まで行き「帰る」と主張。
→「朝ですよ」と声かけし、居室へご案内し、テレビをつけて少し一緒に見ていると落ち着いてもらうことができました。
▶ ケース2:転倒による救急搬送
ナースコールで駆けつけたら頭から血を流し、倒れていた。
→看護師に連絡をして救急車を要請。家族への連絡と記録に追われ、仮眠の時間が取れないということもありました。
これらは一刻を争うケースもあるため、いざという時の相談先は確認しておきましょう。不安であれば、あなたがその場で判断をする必要はありません。
【体調管理テク】夜勤中の眠気・疲労に効いた工夫
- 仮眠は30~90分。長く寝すぎると起きるのがつらくなることも。
- 明け方は冷たいお茶+ストレッチでリフレッシュ。
- 夜勤中のご飯は軽めに。おにぎりやサンドイッチがおすすめ。
休憩をしっかりと取り過ぎてしまうと、身体が動かなくなってしまうこともあります。気持ちとしては、小休憩程度にとどめておきましょう。
【注意点】
・無理に夜勤を続けると心身の健康を損ないます。健康に勝るものはありません。キツイと感じたら相談してみましょう。
・施設によっては満足に休憩が取れない場合もあります。その場合は職場環境の見直しも選択肢に入れましょう。
🌙 夜勤の体調管理テク:無理せず続けるための工夫
夜勤のシフトは生活リズムが乱れやすく、体調を崩しやすいのが大きな悩みです。
特に、食事や仮眠、休憩の取り方を工夫することが、翌日の疲れ残りやメンタル不調を防ぐ鍵になります。
筆者が実際に行っていた方法としては、出勤前に軽めの夕食をとり、深夜2〜3時頃に15〜20分の仮眠を入れること、そして休憩時間にはなるべくスマホを見ずに脳を休ませるよう心がけていました。
夜勤前後の食事も「腹八分目」「消化の良いもの」を意識するだけで、ぐっと楽になります。
体力や年齢によっても最適なスタイルは異なるので、自分に合ったペースを見つけていくことが、夜勤を長く続けるポイントです。
🌃 夜勤との向き合い方:ただ“我慢”しない働き方を
夜勤は身体的・精神的に負担が大きい分、「慣れるしかない」と割り切ってしまう人も少なくありません。しかし、それだけでは長くは続きません。
大切なのは、“どう向き合うか”を自分の中で明確にすることです。
たとえば「夜勤手当を家計の柱にする」「日中の自由時間を趣味や副業に活かす」といった前向きな理由を持つことで、夜勤にも意味が生まれます。
逆に、漠然と不満や疲労を抱えたまま働いていると、心身がすり減ってしまいます。自分なりの「夜勤との付き合い方」を見つけることが、長く現場に立ち続けるための第一歩です。
【まとめ】夜勤は慣れ+工夫で乗り越えられる
夜勤は決してラクではありません。
介護職員の待遇は少しずつ見直され、私が夜勤を始めた頃よりも夜勤の手当は10年の間にだいぶ上がりました。
なかには、手当のために夜勤を頑張っている人も多いかもしれませんが、夜勤は「慣れること」と「工夫すること」で負担を軽減できます。
あなたの経験や工夫も、きっと誰かの支えになります。
ぜひコメント欄で体験談をシェアしてください。
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